読書感想文におすすめのファンタジー・SF10選

2023年8月19日SF小説,ファンタジー,特集J・K・ローリング,ダニエル・キイス,畠中恵,宮部みゆき,佐藤さとる

今回は読書感想文におすすめの小説を、主にファンタジーと一部はSFから10作品紹介していきます。
読書感想文の書き方や本の選び方に関しては、以下の記事を参考にして下さい。

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だれも知らない小さな国

著者:佐藤さとる
イラスト:若菜珪/村上勉

ーーびっくりするほど綺麗なつばきが咲き、美しい泉が湧き出る「ぼくの小山」。ここは、コロボックルと呼ばれる小人の伝説がある山だった。ある日、小川を流れる靴の中で、小指ほどしかない小さな人たちが、ぼくに向かって手を振った。うわあ、この山を守らなきゃ! 日本初・本格的ファンタジーの傑作。

『コロボックル物語1 だれも知らない小さな国』(佐藤 さとる,村上 勉):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部 (kodansha.co.jp)

ここがおすすめ!

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読み継がれる日本の児童ファンタジーの名作。
人の訪れない美しい小山で、少年は不思議な小人を目撃します。
読んでいて抱くであろう静かな憧れや興奮を、読書感想文で書いてみてはいかがでしょう。
シリーズものですが単巻で話は完結するので、コロボックル達がメインとなる2作目以降を選んでもいいと思います。

過ぎ去りし王国の城

著者:宮部みゆき

誰の心にも、自分だけの城がきっとある――。宮部みゆきエンタメ渾身作!
早々に進学先も決まった中学三年の二月、ひょんなことから中世ヨーロッパの古城のデッサンを拾った尾垣真。やがて絵の中にアバター(分身)を描きこむことで、自分もその世界に入りこめることを突き止める。

「過ぎ去りし王国の城」宮部みゆき [角川文庫] – KADOKAWA

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絵の中の世界を冒険する、中学生の話になります。
しかしただ楽しい冒険が描かれるのではなく、学校を含めた辛い現実も同時に描かれるのがお勧めする理由です。
その点では『かがみの孤城』と共通する部分もありますが、そちらはミステリー枠など別記事で紹介しているので、ここではこちらを選びました。

ホビットの冒険

『ホビットの冒険』の画像
著者:J・R・R・トールキン
訳者:瀬田貞二(岩波書店版)/山本史郎(原書房版)

ひっこみ思案で気のいいホビット小人が,思いがけない旅に出る雄大な冒険物語.魔法使いガンダルフのたくみな誘いにのせられ,13人のドワーフとともに旅立ったビルボは,けわしい山々や闇の森を越え,竜に奪われた宝を取り返しにゆく.古代北欧の伝承の影響を色濃く残すファンタジー.

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『指輪物語』は長くて感想文にはあまり向きませんので、その前日譚であり、現代のファンタジーの祖である本作をおすすめします。
前日譚と言っても登場人物と世界観が共通しているくらいで、様々な困難を乗り越えていく王道の冒険譚が楽しめます。
非常に作り込まれた世界観にも注目です。

火星の人

著者:アンディ・ウィアー
翻訳者:小野田和子

有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。ところが――。奇跡的にマークは生きていた!? 不毛の惑星に一人残された彼は限られた食料・物資、自らの技術・知識を駆使して生き延びていく。映画「オデッセイ」原作。

火星の人〔新版〕 上 | 種類,ハヤカワ文庫SF | ハヤカワ・オンライン (hayakawa-online.co.jp)

ここがおすすめ!

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映画『オデッセイ』の原作として知られる本作。
今回はファンタジーのみの紹介にしようかと思っていましたが、SFを含めたのは本作も紹介したかったからです。
火星に取り残されたという衝撃的な状況から帰還を目指すストーリーがとても面白いです。
数多の困難と興奮、科学的なリアリティなど、優れた点をたくさん書けるでしょう。

オズの魔法使い

著者:ライマン・フランク・ボーム

竜巻きによってオズ大王の住む魔法の国に運ばれたドロシーは、かかしとブリキの樵と臆病なライオンと共に大冒険をします。

オズの魔法使い|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)

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現代を代表するアメリカの童話。
竜巻に飛ばされたドロシーと仲間達の旅にはメッセージ性を感じます。
それに加えて色の描写や、オズの正体など、かなり読みやすく感想も書きやすい作品です。

アルジャーノンに花束を

著者:ダニエル・キイス
訳者:小尾芙佐(中編版:稲葉由紀)

32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは? 全世界が涙した不朽の名作。

アルジャーノンに花束を〔新版〕 | 種類,ハヤカワ文庫NV | ハヤカワ・オンライン (hayakawa-online.co.jp)

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SFを含めるならこちらも是非紹介したい作品です。
知能に障害を持つ主人公が、手術によって天才的な頭脳を得たらどうなるかを描いた作品で、感じるところも考えさせられるところも数多くあるでしょう。
主人公の日記形式なので序盤は読みづらかったりと、読書慣れした中学生以上向けになります。

しゃばけ

著者:畠中恵
イラスト:柴田ゆう

江戸の大店の若だんな一太郎は、一粒種で両親に溺愛されているが、めっぽう身体が弱い。そんな彼を、身の周りにいる犬神や白沢といった妖たちがいつも守っている。ある夜、一太郎は人殺しを目撃してしまう。妖の助けを借りて下手人探しに乗り出すものの……。「洒落っ気いっぱい、近来の出色」と大好評の第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作!

シリーズ作品紹介 (shinchosha.co.jp)

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人気の和風ファンタジーの第1作目です。
江戸時代を舞台に、虚弱だが妖怪の見える主人公が連続殺人犯を追います。
シリーズ内でも珍しく緊張感ある長編で、ミステリー色の強いそのストーリーと魅力ある妖達を楽しめ、感想文にもちょうどいいと思います。

ハリー・ポッターと賢者の石

著者:J・K・ローリング
翻訳者:松岡佑子

両親の突然の死によって、おじおばの許で育てられたハリー。11歳の誕生日のプレゼントは、ホグワーツ魔法魔術学校への入学許可証。紅の汽車に乗って着いたところは見たこともないような夢の世界だった。 死の魔法を浴びても生き残った主人公の7年にわたる冒険がいま始まる。

ハリー・ポッター|株式会社 静山社 (sayzansha.com)

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誰もが知る超人気ファンタジーの1作目。
後半の巻につれ話が盛り上がっていくのは確かだと思いますが、1巻でもファンタジーとして十分に魅力的です。
ストーリー以外にも、魔法学校などの舞台や登場人物に注目ですね。
2巻以降でも感想文の題材に出来なくはないでしょうけど、1巻を選ぶのが無難に書きやすいでしょう。

銀河鉄道の夜

著者:宮沢賢治

漁に出たまま不在がちの父と病がちな母を持つジョバンニは、暮らしを支えるため、学校が終わると働きに出ていた。そんな彼にカムパネルラだけが優しかった。ある夜二人は、銀河鉄道に乗り幻想の旅に出た――

「銀河鉄道の夜」宮沢賢治 [角川文庫] – KADOKAWA

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宮沢賢治の代表的な童話ですね。
主人公らが乗り込んだ銀河鉄道で見る景色など、考察点は多いです。
そのため、短い話ですが書きやすさは人によってかなり異なると思うので、色々な考察や解釈を書いてみたい方にお勧めします。

星の王子さま

砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった……。一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後七十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。

サン=テグジュペリ、河野万里子/訳 『星の王子さま』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

ここがおすすめ!

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こうした紹介で名前を挙げられることの多い本作ですが、誰にでもお勧め出来るとは思いません。単に読むのでなく感想文を書くためには、ですが。
読んで何を感じたのか、具体的に書いて膨らませるのが難しく、私は一度書こうと思って諦めています。
逆に感想文に自信がある方、読み込んで解釈や考察を述べたい方には勧めたい名作です。

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litmus paper

理系の大学生。好きなジャンルはミステリーやファンタジー。基本的には幅広く読んでいますが、(高校時代の経験から)今は青春小説を苦手にしています。